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技能実習「自動車整備」職種で何ができる?
作業の範囲と指導員の要件

「実習生にどこまでやらせていいの?」「指導員は誰がなれる?」を、国の資料で確認できた範囲で整理しました。

まず結論:3行でいうと

① 実習の中心は点検整備と特定整備(分解整備)です。洗車や清掃などの周辺業務だけ、板金塗装だけ、といった計画は認められません。
② 実習を行う工場は認証工場であること。指導員は1級・2級整備士か、3級に合格してから3年以上の実務経験がある人です。
③ 節目は評価試験(初級→専門級→上級)。1年目の終わりの初級合格が、2年目に進む条件になります。

「自動車整備」作業とは

国の審査基準では、自動車整備作業を道路運送車両法にもとづく日常点検整備、定期点検整備、特定整備、車検(新規・継続・構造等変更検査)での整備、故障修理などの一般整備の作業と定めています。対象の車は、普通・小型・軽自動車、二輪自動車、大型特殊自動車(小型特殊は除く)です。

必須業務・関連業務・周辺業務

技能実習の計画は、作業を3つに分けて組み立てます。自動車整備職種の審査基準とモデル例で示されている中身は次のとおりです。

区分主な中身時間の割合
必須業務点検整備作業(ステアリング、ブレーキ、走行装置、サスペンション、動力伝達、電気、エンジン、排出ガス発散防止、附属装置)。2号からは特定整備作業、3号では故障診断作業も全体の2分の1以上
関連業務部品番号検索・発注、車枠車体の整備調整、ナビ・ETCなど電装品の取付、板金塗装全体の2分の1以下
周辺業務洗車、下廻り塗装、車内清掃、構内清掃、部品運搬、設備機器の清掃全体の3分の1以下

どの区分でも、安全衛生の業務(安全教育、作業前の安全確認、保護具の確認、事故・疾病の予防など)を各区分の10%以上入れることになっています。

年ごとの中身の違い

モデル例では、1年目(1号)は「点検項目の良否判定と、それにもとづく整備の補助作業」、2年目以降(2号)は補助が外れて「整備作業」となり、特定整備と「各種テスター・測定機器による良否判定」が加わります。3号ではさらに故障診断が入ります。補助から始めて、段階的に任せる範囲を広げていく設計です。

対象にならない作業の例

審査基準には「移行対象職種・作業とはならない業務例」として、自動車の解体、自動車の製造工程、板金塗装だけの作業、陸送、関連業務と周辺業務だけの場合が挙げられています。「洗車と清掃が中心」という使い方はできない、ということです。

工場(実習実施者)の要件

自動車整備は「車の安全に関わる」ため、国土交通省の告示で、他の職種にはない基準が上乗せされています。

項目中身
工場地方運輸局長の認証を受けた工場であること。二輪だけの認証や、対象の装置が限定された認証は不可
指導員(1号・2号)実習内容について5年以上の経験があり、かつ1級または2級整備士の技能検定に合格、または3級に合格した日から3年以上の実務経験がある人
指導員(3号)1級に合格、または2級に合格した日から3年以上の実務経験がある人
講習入国前か入国後の講習で、国土交通大臣が指定する教材(「基礎自動車整備作業」など)を使い、整備の基礎知識を学ばせること

ここでいう「実務経験」には、オイル・タイヤ・灯火類・ワイパーなどの交換だけの軽い作業は含まれないと運用要領に明記されています。指導員を誰にするか決めるときは、資格の合格日と経験の中身を先に確認しておきましょう。

このほか、どの職種にも共通して、実習全体の責任者や生活面を見る担当者を社内で決める必要があります。また、組合(監理団体)側にも、計画づくりを指導する人に整備士資格などの要件があります。

計画どおりに実習させることが大事

技能実習計画は、外国人技能実習機構の認定を受けて進めます。認定された計画と、実際に現場でやらせている作業がかけ離れていると問題になります。「忙しいから洗車ばかり」にならないよう、月ごとにどの作業をどれくらいやったかを、指導員と一緒に振り返る習慣をつけておくと安心です。

評価試験の節目

自動車整備職種の技能実習評価試験は、各都道府県の自動車整備振興会で実施されます。等級は初級・専門級・上級の3つです。

2号を良好に修了すると、試験なしで特定技能1号へ切り替える道があります(詳しくは特定技能「自動車整備」の条件)。

2027年4月からの育成就労では?

技能実習は2027年4月から育成就労に変わります。自動車整備分野の運用方針では、育成就労でも認証工場であること、指導員の資格要件、指定教材による講習といった考え方が引き継がれています。評価試験も「育成就労評価試験(初級・専門級)」として設けられます。今のうちに指導員の候補と、教える体制を整えておけば、どちらの制度でも慌てずにすみます。受け入れの手順は受け入れまでの流れの記事にまとめています。

※ この記事は2026年10月時点の公開情報(法務省・厚生労働省・国土交通省「特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領―自動車整備職種の自動車整備作業の基準について―」、国土交通省告示第386号、厚生労働省「技能実習計画の審査基準・技能実習実施計画書モデル例」、国土交通省「自動車整備技能実習ガイドライン」「自動車整備分野 育成就労計画審査基準」、外国人技能実習機構など)をもとにした一般的な説明です。細かな運用は今後変わることがあります。個別のケースは勉強会や無料ガイドでご確認ください。

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