まず結論:全体像
② 書類や申請の多くは組合(監理団体)が指導してくれます。工場がいちばん力を入れるべきは、面接で人を選ぶことと、来てからの最初の1週間です。
③ 2027年4月1日以降は、技能実習計画の新しい申請ができなくなります。技能実習で受け入れるなら、今が最後のタイミングです。
時間軸で見る、受け入れの流れ
| 時期の目安 | 段階 | 工場がやること |
|---|---|---|
| 0か月 | 組合に相談・加入 | 受け入れ人数と条件の確認 |
| 1〜2か月 | 求人条件を決める・面接 | 給料・仕事内容・住まいを決め、面接で選ぶ |
| 2〜6か月 | 入国前の講習・申請 | 書類の準備、寮の手配 |
| 半年前後〜 | 入国・1か月の講習 | 生活の準備、受け入れ体制づくり |
| その翌月〜 | 配属(1号スタート) | 現場で教える |
| 配属から約1年 | 試験に合格して2号へ | 試験に向けた練習のサポート |
※ 期間は国や組合、申請の混み具合によって前後します。
段階ごとに、工場がやること
1. 組合(監理団体)に相談・加入する
技能実習は、ほとんどの場合、組合を通して受け入れます(団体監理型)。まずは自動車整備の受け入れ実績がある組合に相談し、うちが受け入れられるかを確認します。
自動車整備の技能実習には、ほかの職種にない決まりがあります。実習を行う事業場は認証工場であること、そして整備士の資格を持った指導員を置くことです。ほかに、実習全体の責任者や、生活面を見る担当者も社内で決めておきます。
2. 求人条件を決めて、面接する
どんな人に、何をしてもらうのか。給料はいくらか。住まいはどうするか。ここを組合と一緒に決め、現地で募集をかけます。面接はオンラインでできることも多いです。
ここは工場がいちばん主役になる場面です。母国で自動車関係の学校を出ているか、整備の経験があるか。そして何より、「この人と一緒に働きたいか」。職人さんにも面接に同席してもらうと、配属後がぐっと楽になります。
3. 入国前の講習と、申請
採用が決まると、本人は母国で日本語や生活習慣を学び始めます。自動車整備の場合、国が指定した教材で整備の基礎知識を学ぶことも決まっています。
その間に、組合の指導を受けながら次の申請を進めます。
- 技能実習計画の認定申請(外国人技能実習機構へ):3年間、何をどう教えるかの計画書です。
- 在留資格認定証明書の交付申請(出入国在留管理局へ):計画が認定されてから申請します。
認定までには時間がかかるので、組合と相談して余裕をもったスケジュールで動くのが大事です。工場は、会社の書類をそろえることと、寮の手配(家具・家電・寝具も)を進めておきます。
4. 入国して、約1か月の講習
日本に着いたら、すぐ工場に来るわけではありません。まず組合が行う入国後講習を受けます。日本語、生活のルール、働く人を守る法律などを学ぶ期間で、約1か月が一般的です。この期間は、工場で働いてもらうことはできません。
工場はこの間に、受け入れの準備を仕上げます。作業着や安全靴、ロッカー。そして、工場のルールを言葉にしておくこと。挨拶のタイミング、工具の置き場所、片付けの順番。日本人なら「見ればわかる」ことほど、外国人スタッフには伝わりにくいからです。
5. 配属、1号のスタート
講習が終わると、いよいよ工場に配属され、雇用契約にもとづいて働き始めます。ここから約1年が技能実習1号です。最初はオイル交換やタイヤ、点検の補助など、資格がなくてもできる作業から始めます。
6. 試験に合格して、2号へ
1号の終わりに、自動車整備職種の技能実習評価試験(学科・実技)を受けます。合格すると技能実習2号に進み、さらに2年、同じ工場で実習を続けます。日頃の作業がそのまま試験の練習になるので、先輩が少しずつ範囲を広げて任せていくことが、いちばんの試験対策です。
7. その先:特定技能へ
自動車整備の技能実習2号を良好に修了すると、試験なしで特定技能1号に切り替えられます。3年育てた人に、そのまま即戦力として残ってもらう道です。詳しくは特定技能「自動車整備」の条件の記事をご覧ください。
2027年4月の制度変更と、締め切り
出入国在留管理庁の資料によると、技能実習の扱いは次のようになります。
- 2027年4月1日以降は、技能実習計画の認定申請ができません。
- 施行日より前に申請した計画が施行日以降に認定される場合は、実習開始が2027年6月30日以前であることが必要で、原則として同日までに入国する必要があります。
- 施行日以降に入国して1号を修了した人も、2号には進めます。ただし3号に進めるのは、施行日の時点で2号を1年以上行っている人に限られます。
つまり、これから技能実習で受け入れる場合は「1号+2号の3年間 → 特定技能1号」という流れになると考えておくのが現実的です。上の流れにかかる期間を考えると、今から動いても日程はかなりタイトです。間に合わない場合は、2027年4月から始まる育成就労での受け入れを準備することになります。流れの大枠(組合への相談→面接→申請→入国→講習→配属)は、育成就労でもほぼ同じです。
いちばん大事なのは、配属の最初の1週間
ここまで読んでいただくとわかるとおり、申請や書類は組合がかなり手伝ってくれます。でも、現場で教えるのは、工場の皆さんです。そして、忙しい整備工場で、新人に付きっきりになれる人はなかなかいません。
最初の1週間に「この工場ではこうする」が身につくと、挨拶も、仕事の覚え方も、心の開き方もまるで違ってきます。逆にここで放っておかれると、本人は何をしていいかわからず、職人さんは「言葉が通じない」とイライラする。その後の何年かは、この1週間で決まると言っても大げさではありません。
このラボでは、この最初の1週間ほど、自動車業界で店長をやってきた運営者が現場に入り、新しく来た外国人スタッフの隣について教える「現場サポート」(別料金のオプション)を用意しています。先に店長さんから工場ごとのルールを教わってから入るので、職人さんの手を止めずに立ち上げられます。気になる方は、現場サポートの説明もご覧ください。
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